概要
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今まで私は基本的にディスクリート素子や、オペアンプ等を使用してアンプを作って
きましたが、今回はカーオーディオやゼネラルオーディオ向けに開発されたICを使って
アンプを製作してみました。これは音質的な比較を主目的としています。また、IC
の手軽さを生かして、機能も今までのアンプと比較して多彩にしました。
構成としては、入力にロータリースイッチを使い3系統の入力を備え、つぎに
プリアンプICを使ってボリュームコントロールのほかに、MZLアンプ初のトーンコントロールと
バランスコントロールを搭載しました。プリアンプICからの出力はパワーアンプICに入力され、
スピーカーを駆動するために電力増幅されます。
また、付属機能として、バーグラフLEDを使ったレベルメータを備えました。このために
レベルメータ用のICを使用しています。IC化されているため、外付け部品はそれほど多くは
ないですが、配線はそれなりに多いです。
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フロントパネル
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デザインとしては古いカーステレオなんかをイメージしています。レベルメータ周辺
部分は、ツマミの機能をパソコンで作って印刷した紙を、スモーク塩ビ板ではさみ、
プッシュリベットで固定しています。レベルメータがあると、動きがあって楽しい
ものです。
外観のすっきりさせるために、初めてプッシュリベットを使用しました。
穴位置が結構シビアで、正確に穴を開けないとうまく留められなかったです。
あと印刷した紙なのですが、写真でもわかるとおり、スモーク塩ビ板の透過性が
低くて、視認性が予想外に悪くなってしまいました。
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リアパネル
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リアパネルはベーク板取り付け形のRCAジャック、スプリングタイプの
スピーカーターミナル、外部からの直流電源供給用MICジャックが装備されています。
プリアンプICの音質を見るために、プリアウト端子を設けたかったのですが、
ごらんのとおりスペースがなくて断念しました。
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内部(1)
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ケースは生産中止の憂き目に遭ってしまった、MZL小型アンプ定番ケース?の
AU-2を使用しています。限界とまでは言いませんが、結構中身が詰まっています。
ケース前部にあるのがパワーアンプIC TA8211AH関係の回路です。パワーアンプIC自体は、
その脇でケースに取り付けて放熱しています。ちなみに通常使用時には、ほとんど
発熱が確認できませんでした。
後部上面にはレベルメータIC LB1412Mと、その周辺回路を実装した基板を配置しています。
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内部(2)
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後部下面にはプリアンプIC TA7630PGとその周辺回路、及び三端子レギュレータ使用の
正負電源が実装されています。
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回路等について
基本的に回路は各ICのデータシート記載の物を採用しました。この為回路設計は
容易に完了しました。ホームページ用に回路図を起こそうかとも思ったのですが、
結構手間がかかりそうなので、中止しました。悪しからずご了承ください。
・1.パワーアンプについて
パワーアンプICのゲインは不必要に高い物が
多いように思いました。今回使用したTA8211AHも抵抗の調整でゲインを落とせるのですが、
データシートに載っていた最小値の30dBとしました。これはあまりゲインを低く設定
する(=帰還量を増やす)と、安定性が悪化して発振などトラブルの元になるからです。
TA8211AHのデータシートには最小ゲインについて記載はなかったのですが、東芝製の同様な
ICのデータシートには、最小ゲインが書いてあるものが多かったので、念のため
このゲインにしました。
・2.プリアンプについて
TA7630PGはワンチップでステレオのボリュームコントロール、バランスコントロール、バス、
トレブルの機能を備えたICで、各機能がDCによってコントロール出来るので、2連の可変抵抗
を使用する必要がなく、アマチュアにも使いやすいICです。
・3.レベルメーターについて
LB1412Mは入力アンプ、ピークホールド、コンパレータ、LEDドライバ等、多くの機能を
集積した便利なICです。IC一つで1ch対応なので、ステレオには2個必要です。本機では、
パワーアンプのゲインが高めのため、必然的にプリアンプのボリュームは小さくなって
しまいます。そのためプリアンプの出力をレベルメータICに入力しても、通常使用するような
音量ではLEDの点灯が少なくなってしまう事が分かりました。そのためパワーアンプの出力
をレベルメータICに入力しました。
が、こうするとちょっと問題がでてきました。パワーアンプのノイズは使用上全く問題ない
のですが、レベルメータ最小レベルのLEDは点灯してしまうようになってしまいました。
これでは無信号時にも点灯してしまって、少々気持ち悪いです。まあ電源のインジケータ
代わりだと考えて、根本的な解決はあきらめました。どうしても気になるのであれば、
プリアンプの出力をオペアンプか何かで、増幅してレベルメータICに入力させれば解決する
かもしれません。
・4.音質について
最終的な音質ですがほとんど不満のないもので、ちょっと意外でした。ディスクリートで
組んでもゼネラルオーディオレベルと変わらないのか、違いに気づかないレベルの耳なのか、
とか思いました。しかし今までのアンプは今見ると、結構あらが目立つ物が多いので、
回路のプロが作った、市販ICよりも劣る物であって当然なのかもしれません。ある意味
リファレンスアンプとなるかなと思います。
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