カセットデッキ AKAI HX-R40 (簡単な紹介とメンテ)
当時\55000ぐらいしたらしい、オートリバース2ヘッドのデッキ。赤外線でリーダーテープを感知し、高速反転するクイックリバースを搭載していて、
テープ反転時の音切れはわずかです。ドルビーB/Cノイズリダクション搭載。対応テープtype1,2,4。マイク入力あり。
ウォークマンで通学時に聞くための、AMラジオの録音用やBGM用に使っていますが、テープによって、ワウが感じられるようになったので、
一通りのメカのメンテナンスをしました。
1. メカ部の摘出作業
まずメンテをするにはメカを引っ張り出さないといけません。そのためにはまず天板を取り外したあと、フロントパネルとそれに引っかかりそうな
つまみ、カセットリッドを取り外します。そのあとメカ部につながっている、コネクターをできるだけはずし、最後に上下2本ずつの固定ネジを取れば
メカ部が取り出せます。
(手前に引き出されているのがメカ部)
2. メカ部の分解(後部から)
はじめに一番外側にある、モーター(キャプスタン用・リール用)がついているプレートと基板を取り外し、次にフライホイールの裏の
軸受けがついたプレートをはずします。ここでテープを定速走行させるキャプスタンのフライホイールが見えます。
(2つある黒い円筒形の物がフライホイール)
写真には写っていませんが、ここにゴムベルトが通ります。長い間使っているとゴムが劣化したり、フライホイールが汚れたりして、
走行が安定しなくなります。そこでそれらをクリーニングします。ここでは市販のテープデッキのクリーニングキットを使用しました。
ついでに次のプレートも外してみました。そうするとこういったものがあります。
大体真ん中に写っているグレーのカムがメカ駆動用カムです。ここをメカ駆動用のモーターがギヤを使って回すことで、ヘッドを回転させたり、
ヘッドブロックを上下させたりします。通常グリスが塗られていますが、このデッキは元々この部分にグリスを使わないようなのでそのままにしました。
ヘッドを回転させる部分のグリスはまだ大丈夫でした。
そしてグリーンと茶色のものはヒゲ状の接点と組み合わさり、メカの状態を電気信号に変換し、制御回路に伝達するものです。
ここが接触不良になるとメカが動作しなくなったりするそうです。
(これ以上は後部からでは外せません。)
3. メカ部の分解(前部から)
次にピンチローラーにメスを入れます。このデッキのものはプラスチックのつめに引っかかっているだけなので、簡単に取れます。
が、バネの噛み合いはチェックしてからがいいです。
これはあとで撮ったのですが、長い間使っていると表面がつるつるになってしまい、きちんと作動しなくなります。部品を注文してもいいのですが、
今回はヤスリで表面の硬くなっている部分を削りました。表面がでこぼこしないようにやればOKです。
次にリール。Oリングを外したのち、取り外し、グリスを少々塗っておきました。
リールはこの4つの部品のほかに、一番下のワッシャを入れた5つ部品があります。これで一通り終わりにします。
4. 組み戻し
終わったら分解した手順と逆に戻します。この時部品の組み忘れが無いか調べてやらないと、非常に面倒くさい事になりかねません。
余談ですがこのデッキのコネクターはつなぐのが難しく(作者が不器用)て、はじめまったく動かず、次はショートでヒューズが飛びました(汗)。
5. 動作テスト
これで動いたかどうかを確認。今回はOKでした。