エルカセットデッキ TEAC AL-700(ベルト交換編)




オープンデッキの高音質とコンパクトカセットの手軽さのいいとこ取り。
というコンセプトで開発されたのがエルカセットです。
綴りはELCASET。ACCと違いCasetなのがミソ?です。
テープスピードは9.5cmps、テープ幅は6.3mmで、3タイプのテープがあったようです。
4(5という情報あり)社が作りましたが、結果としては見るも無残な敗退。
ソニー、ティアック、松下、日立という大御所だったのですが無理があったようです。

今回オークションでTEACのAL-700がテープつきで出ていたので思わず購入。
結構TEAC製はレアのようですから(TEACは一機種しかなかった)。
状態としてはキャプスタンが回っていないようでした。


プラグイン基板

基板はほとんどプラグイン方式になっていて、調整ボリュームの内容は天板に書いてあり、
調整等がしやすそうで、メンテナンス性に考慮した設計になっているようです。
またこのデッキの電源はなんと2トランスになっていて驚きました。



プラグイン基板2

こちらはコントロール基板です。メカを取り外すため、コネクタを外しました。



取り外したメカ

メカを取り外しました。フロントパネルとコネクタを取り外し、
ビスを外せば簡単に取り出せます。やはりかなりの重量がありました。



メカ後部

ダンパーを外して、キャプスタンモータとソレノイドのコイル部を外します。
ソレノイドの金属芯がスポッと抜けます。これはメカ駆動用のもので、
これがピンチローラーとテープガイドを上下させます。



フライホイール

フライホイールのベルト通過部を掃除して、ベルトを通しました。
それにしても頑丈に作られています。またシンプルな構造で分解も容易です。



ヘッド周り

クローズドループデュアルキャプスタン、独立3ヘッド構成です。

この後調査していくとリールモータが挙動不審でした。このデッキは3モータ構成で、
リール部DDなので、どうやらモータドライバがいかれてしまっているようです。
一応正方向定速、早送りはできますが、まき戻しができません。

元々がどうかは不明ですが、高音が出なくなっていました。
原因としては再生ヘッドアジマスずれ、バイアス量、EQ異常、テープ劣化等、
色々予想できます。完全動作にするには思ったより手間がかかりそうです。
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